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[音楽センスの磨き方] なぜJ-POPは世界で孤立してしまったのか

こんにちは!オンラインDJスクールMIXFUN!のDJ KOMORIです。

ご存知のように、日本では「J-POP」が圧倒的に人気の音楽ジャンルです。
世界的に見ても「J-POP」と「日本の音楽シーン」は、かなり特殊です。

世界各国のチャートを見ても、POPS、HIPHOP、ROCK、R&B、レゲエ 、カントリーミュージック・・
とても多くのジャンルがチャートインしています。
しかし日本は9割以上が、日本でしか聴かれていない「J-POP」がチャートを独占しています。

逆に世界的にヒットしたJ-POPの楽曲というのは、ほぼ皆無です。
J-POPが全米チャートの40位以内にランクインしたのは、1963年の坂本九氏「SUKIYAKI」以降、1曲もありません

このページでは「なぜ世界でJ-POPの人気が無いのか」という理由と
日本にいながら「音楽センスを磨く方法」について考えて行きたいと思います!

目次

  1. なぜ日本の音楽は孤立してしまったのか?
  2. 音楽で成功しているその他の国を見てみよう
  3. 世界のトレンドをリサーチして分析する
  4. 洋楽の名曲から成功法則を学ぶ
  5. 音楽ジャンルを歴史から理解する
  6. 流行のサウンドを「分析」する


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1. なぜ日本の音楽は孤立してしまったのか?

なぜ日本の音楽シーンは孤立してしまったのか、なぜかを一言で説明するなら・・
日本人はずっと同じ様な音楽、つまり「J-POPばかり聴いている」からです。

この背景にはいくつか理由がありますが、最大の理由は日本が島国であり、日本人の民族がほぼ単一であることが原因とも言えるでしょう。

他のアニメや漫画、お笑いなどエンタメについても近い事が言えますが、こと音楽に関しては島国であるが故の「ガラパゴス化のデメリット」が際立ってしまっていると、自分は感じています。
(※ガラパゴス化とは、ガラパゴス諸島で独自に進化した生物を例に「独自の進化」を遂げた文化や生物などに対して使う言葉)

独自の文化が育つことはもちろん良い面もありますが、音楽に関してはデメリットが多いと自分は考えています。

J-POPの楽曲の特徴は海外のヒット曲に比べて
「メロディーが子供っぽい」「歌唱力が高くない歌手が多い」「トラックの音数が多く低音が薄い」「リズムが複雑すぎて踊りにくい」「BPMが速すぎる」
・・などの特徴が考えられます。

またその要因は、日本の音楽業界にあるのも事実です。
日本の音楽業界には・・
[日本人が好む音楽を作る→日本は人口が多い→ある程度売れる→また日本人が好む音楽を作る]
良くも悪くいも、この自己完結的なサイクルで長年成り立っています。

日本の音楽は、残念ながらアニメや漫画のように世界からの評価が高くありません
かと言って、お笑い芸人のように日本の社会の中で認知されて成功している人も多くありませんよね。
また、エンタメ以外に目を向けても、日本の食文化に関して言えばガラパゴス化していたからこそ、海外からの評価が高いとも言えるでしょう。

では、なぜ日本の音楽産業はアニメや食文化のように世界で成功していないのでしょうか?

2. 音楽で成功しているその他の国を見てみよう

音楽マーケットで成功している国に目を向けてみましょう。(アメリカは大きすぎるので省きます)

イギリスでは、古くから音楽やアートなど文化の発信地でありました。
それ故に成熟したバックグラウンドと、挑戦を受け入れる土壌があります。
これはある意味で、日本の食文化の成功例に近いかもしれません。
また英語圏ということもあり、言葉も広く受け入れられる背景がありました。

次に音楽大国であるスウェーデンを見てみましょう。
ABBAACE OF BASEの様な過去のポップアーティストから、00年代に数々の世界ヒットを産んだプロデューサー StargateAviciiSwedish House Mafiaと言ったEDMシーンで成功を納めています。
小国であるが故に自国の国民に向けてだけ音楽を作らずに、ヨーロッパ全体やアメリカのマーケットを常に意識しています。
また、国が音楽教育に力を入れているのも大きな理由の一つでしょう。

K-POPで大きく成功しつつある韓国も同様に、世界に進出するために国や政府の後押しを受けながら音楽産業に取り組んでいると聞きます。
みんさんんもご存知のように、BTS全米チャート1位を複数回に渡って記録している事から、この試みが成功していると言えるでしょう。

このように考えると、音楽の深い歴史のあるイギリスよりも、スウェーデンや韓国から学ぶことが多いと思いませんか?

一方、日本の音楽「業界」は、「日本で売れるものを作れば良い」というムードしか、ほぼありません。
その理由の一つとして、日本は国民が約1億3千万人と先述の韓国、スウェーデン、英国に比べて人口が多いので、日本国内で売れさえすればビジネス的に成立していたという要因が大きいでしょう。

もちろんJ-POPにも素晴らしいアーティストも存在しますし、ガラパゴス化が必ずしも悪いことではありませんが・・
世界で活躍したいと考える音楽アーティストやクリエイター、DJにとっては、とてつもなくマイナスな環境と言えます。

・・しかし嘆かなくても、その状況を一変させられる時代が来ました!
そう、今の時代はスマホ一つあれば世界中の最新音楽を知ることができるのです。

ここからは、未来を担う若者のために!
日本にいながら世界の音楽に触れるコツを簡単に教えましょう・・!
(なんか偉そうですいませんw)

ポイントは以下の4つです!

・世界のトレンドをリサーチして分析する
・洋楽の名曲をたくさん知る
・音楽の歴史からジャンルを理解する
・サウンドを「分析」する

3. 世界のトレンドをリサーチして分析する

まず日本人に圧倒的に足りていないのは、このリサーチ研究です
その結果、日本の音楽シーンが世界のトレンドから取り残されているからです。

もちろん音楽クリエイターやアーティストの中には、最新のトレンドを聴いている人も少なくないでしょう。
しかし、音楽業界やそれを取り巻く人間が特に新しい音楽を聴いていないと、個人的には感じています(そして憤っています 笑)。

例えばK-POPのBTSやBLACKPINKがなぜ世界で人気があるかといえば、世界のトレンドにしっかりと乗っているからです。
サウンドやソングライティング面で世界のトレンドに乗りつつ、歌い回しやビジュアルでK-POPの世界観を絶妙なバランスで出しているのです。
これはアーティスト本人やスタッフ陣が、かなり過去の音楽や現行のトレンド研究をしているから成せることなのです。

しかしJ-POPは、ごく一部を除いて世界のトレンドをほとんど無視し続けています。
もちろんK-POPの後追いをしても、周回遅れになるだけです。

では、日本にいてトレンドを知るにはどうすれば良いでしょうか?
すぐにスマホではじめられる簡単な方法をいくつか紹介しておきます。

Youtubeで「Billboard This Week」などと検索すると、その週の全米チャート上位曲をまとめて見れる動画が必ずヒットします(恐らくHipHopの多さにびっくりすると思います)
これを見て、気になるヒット曲は掘り下げて行きましょう。
そのアーティストの有名曲はもちろん、その曲を手掛けるプロデューサーを調べることでヒットの傾向が分かってきます。
また、継続してビルボードの音をチェックしてくことで「あ、この曲は売れ線の音だな」なんてわかるようになって来ますよ!

また、配信サービスでオススメなのはSpotify
なぜかと言うと、海外の公式プレイリスト(Spotifyプレイリスト画面の説明テキストが英語のもの)が圧倒的に選曲センスが良いからです。
またSpotifyは世界的にインディーズ音源にも強いので、新しいトレンドをいち早く知ることができます。

手っ取り早く知るなら、Spotifyのワールドチャートとバイラルチャートをチェックすると良いでしょう!

4. 洋楽の名曲から成功法則を学ぶ

ビートルズ、スティービー・ワンダー、プリンス、マイケルジャクソン、クイーン・・
有名な伝説的アーティストの名盤と言われるアルバム作品を聞くことで、かなり多くの音楽センスを吸収できます。
現在活躍している海外の有名アーティストはビックリするくらい、過去のクラシック(名作)に詳しいです。
過去の音楽を数多く知っているからこそ、そのライブラリーの知識を基に現代のヒット曲を作れるのです。

もちろん好きな作品を好きなように聴くのもいいですが、この時に注意してほしいのはリリースされた「年代」です。
リリースされた年代の順番を意識することで、トレンドがどう移り変わっていったかが分かるのです。

例えばヴォーカルに焦点を絞って年代順にヒット曲を聴いていけば、マイケル・ジャクソンがいかに斬新で革新的だったかが分かるでしょう。

この定番の名曲を知る上でオススメは、Amazonミュージック
SpotifyやAppleミュージックなどより古い曲の品揃えは最も多いと感じています。

5. 音楽のジャンルを歴史から理解する

日本人は、音楽ジャンルに疎い(うとい)です。
なぜかと言うと、音楽ジャンルのほとんどは「民族」と大きく関係していますが、日本はほぼ単一の民族から成り立っているからです。

自分はプロのDJなので、海外から来た様々な人種の人を「踊らせる」仕事をしていますが、その好みは本当に多様です。
しかし日本の若いリスナーは、新しいジャンルの名前はなんとなく知っていても、「どのサウンドに影響を受けて誰がそのジャンルを作ったのか」まで知っている人が非常に少ないのです。

例えばHipHopのサウンドに目を向ければ、Dr.ドレが1作目「The Chronic」にしていかにサウンドを完成されていたかが分かるでしょう。
そしてその背景に、P-FUNKといった音楽ジャンルの存在を知ることで、自分が新しいクリエイトティブに取り組む際の参考になるでしょう。
その視点から見れば、現代のブルーノ・マーズやアンダーソン・パークに共通点を見いだせます。

ジャンルに関しては別の記事でも紹介しているので、参考にしてください!

色んな音楽ジャンルに関して知りたい方はこちらの記事を!
【神動画】曲を聴くだけで音楽ジャンルが分かる方法を解説!

6. 流行のサウンドを「分析」する

これも多くの日本人リスナーにとって、全く馴染みのない習慣だと思います。
J-POPは非常に中音〜高音域の情報量が多くなっています。
逆に言うとビックリするくらい「低音がスッカスカ」なんです。

一方、POPSであってもクラブミュージックと変わらないくらい、ベースがブンブン鳴っています。
なぜなら、「低音が無いと踊れない」からです。
そう、海外では一緒に歌えるよりもその曲で「踊れる」ことが大切なんです。
これもカラオケ重視のJ-POPが世界で受け入れられない、大きな理由の一つです。

最近の洋楽トレンドでとても良い例が、ビリー・アイリッシュです。

音の良いイヤホンやスピーカーを持っているなら、ぜひ爆音で鳴らしてみてください。
十代の女の子のポップスとは思えないほど、低音がブンブンに鳴っているでしょう・・?
また、「音数が少ない」のに「音のビジョンが広い」ことに気づいたでしょうか?(それに気づいたあなたはセンスあります!)

ビリーアイリッシュの作品は、驚くことに彼女のお兄さんがトラックを作っています。
家族という小さい世界で音楽を作っていながらも、世界の音楽に触れているからこそ斬新な楽曲が生まれています。
このような作品は、残念ながらサウンドに対して関心の低い日本から生まれる確率はかなり低いでしょう・・。

しかし、その「常識」や「先入観」を変えるきっかけとなるアーティストはあなた自身かも知れません!

まとめ

ということで、日本人が簡単に音楽センスを磨く方法を考えて見ました!

悲観的に聞こえるでしょうか?
自分はむしろ、日本の音楽シーンに足りない部分を指摘することで、これからの世代が少しでも日本から飛び立つ可能性を見つけてくれると思っています。
(個人的には宇多田ヒカルさんに続く才能を生み出せていないことが、2000年代以降の日本の音楽業界にとって何よりの負債だと思っています…)

もちろん「J-POP最高!」と思っているリスナーやアーティストは、そのままでも良いと思います。

しかし、いつでもどこからでも世界の音楽にアクセスできるようになったこの時代、
世界のグローバルな舞台で活躍する、日本人アーティストを見たいと思いませんか・・?

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