日本でも確実に需要が増えるラウンジパーティーでのDJ、暗黙のルールや選曲のツボを解説します!
DJが活躍する現場は、クラブやフェスでお客さんを盛り上げるだけではありません。
クラブ以外のラウンジやバー、レストランといったベニュー(会場)での、企業パーティーやブランドのレセプション、結婚式の二次会などシーンは様々。
しかも新型コロナウイルスの影響もあり、ソーシャル・ディスタンスの重要さから世界的に上記のような場のラウンジパーティーの需要が増えてくることも予想されます。
しかし欧米と違い、ここ日本でのラウンジやバー・レストランなどでのDJパーティー(以下、ラウンジパーティーとまとめます)がまだ定着していません。
それだけに、「どういった選曲が定番なのか」といった記事や情報なども全く無い状態です。
自分は幸運にも、海外ブランドのレセプションや多数の上場企業パーティーから友人の結婚式でのDJを経験してきたので、そのDJプレイの秘訣を教えましょう!
自分が考えるラウンジDJのポイントは、次の4つです!
さて、ポイントを一つずつ解説していきましょう!
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1. ダンスミュージックは音楽の一部でしかない
まずわれわれDJは、「日本人のほとんどがダンスミュージックを聴かない」ということを忘れがちです。
すごく残念ではあるけれど、この事実を無視するべきではなく、DJする上で大前提となる「データ」を冷静に捉える必要があります。
HipHopやハウス・ミュージックの母国アメリカや、ダンスミュージックの中心地であるヨーロッパの国々とは、全く環境が異なります。
いや、、クラブの規模やポップスの質の高さなどを考えても、アジア圏の中でもダンスミュージックからの距離が遠い国とも言えるかも知れません。
DJにとっては残念ではあるけど、この事実を冷静にかつ前向きに受け止めましょう。
また、ラウンジパーティーに集まる人は、常に大音量なクラブと違って、「大きい音で音楽を聴きたくない」と思っている人さえも中にはいる「かも」しれません。
「その場にいる人たちがどういった心理でこの場に来ているのか・・」
そんな想像力を客観的に働かせることこそが、いいDJプレイを生み出す基礎となります。
2. ラウンジパーティーでは「生」が良く合う
ここで言う「生」とは生音、「生演奏の音がフィーチャーされている楽曲」と言うことです。
つまり打ち込みのドラムやシンセで作られたパツパツの楽曲ではなく、生っぽい音のドラムやギター、ピアノなどの楽器、そしてヴォーカルが入っている楽曲が相性が良い、ということです。
その理由は会場のサウンドシステム、つまり音響の機材にも大きく関係してきます。
主なクラブミュージック、特にTRAPなどのいわゆる「ベースミュージック系」は、低音の出るスピーカーで再生されることを前提に作曲されています。
しかし、クラブと違って日本の多くのラウンジパーティー会場の音響では、唸る様なベース音は出ません。
そういった理由もあり、個人的にはラウンジパーティーでは「生音の曲」を多めにセレクトすることをおすすめします!
特に新旧問わず、SOULやディスコ、R&Bの名曲を試しにプレイしてみてください。
ヴォーカルの質が高くてアレンジが豊かな楽曲が多いので、空間がすごく華やかになることでしょう!
4つ打ちをプレイしたいなら、無機質なテクノよりもしっかりと生のグルーブがあるハウスが合うと思います。
言葉で説明しても分かりにくいと思うので、参考になる動画を貼っておきます!
フランス出身の有名なDJ、ディミトリ・フロム・パリのボイラールームでのDJプレイです。
飽くまで一例なのですが、サウンドや選曲の雰囲気は伝わると思います。
最近のメジャーなアーティストの名前を挙げるとするなら・・
ブルーノ・マーズやチャイルディッシュ・ガンビーノ、ダフト・パンク、タキシードあたりはかなりプレイしやすいかなと思います(これも飽くまで一例です 笑)。
また、SoulやDISCOなどの古い楽曲をプレイする場合は、リマスター音源やRE-EDIT音源を選ぶことをおすすめします!
これらは現代の音に合わせて音圧レベルを上げているので、新しい曲と混ぜてプレイしても音圧が遜色ないはずです。
iTunesや各音源販売サイトでも普通に出回っているので、ぜひチェックしてみて下さい♪
3. 踊りに来ていないお客さんたち
DJは人々を踊らせて盛り上げることが、最高の仕事の一つです。
しかし、実際にはそうでないシチュエーションも数多く存在しますし、ラウンジパーティーでは、必ずしも踊らせることがゴールではありません。
パーティー会場で色々な人と知り合ったり、仲間とワイワイ楽しむ、古臭い言葉ですが「社交場」としての大切な役割があります。
だからといって、メロウすぎたり暗すぎる曲は、その場にいる人たちの気持ちを盛り上げてはくれません。
あえて言葉にするなら
「聴いていて会話のじゃまにならないけど、知らない人に話しかけたくなる」
「同じ世代が集まっているから、『この曲懐かしいよね!』と会話のネタになる」
そんな選曲を心がけるのもいいでしょう!
どんなサウンドかを具体的に聴いてもらいたいので、以前に自分がホテルでのレセプションに合わせて作成したDJ MIXをさらっと一度聞いてみてください。
メジャーな曲のカバーなども混ぜつつ、親しみやすいトーンで統一することをイメージしています。
また全体的にデジタル音の少ない、温かみのある楽曲で統一されているのが何となく伝わると思います。
もちろん、踊り始めるお客さんがいたら臨機応変にその人達を楽しませることも忘れずに!
4. オシャレなパーティーでのJ-POPは要注意
JーPOPに素晴らしい楽曲はたくさんあります。
しかし、J-POPというジャンルが「おしゃれな音楽ジャンルでは無い」ことは、多くの日本人も認めるところでしょう。
また、外国人のお客さんにとっては全く馴染みのない異国の音楽なので、その点も理解しておいた方がいいですよね。
逆の立場になって想像してみましょう。
例えばあなたが東南アジアの国に観光で遊びに行って、知り合いができてパーティーに招待されました。
その場でDJがずーっと、現地の国の言葉のポップ・ミュージックで盛り上げていたら・・あなたは仲間ハズレになった気はしませんか?
逆にあなたも周りも知っている世界的にも定番の曲がかかっていたら、それをきっかけに話題ができることでしょう。
これはクラブDJでも言えることですが、DJと言う立場は文化や国籍の違いなどを考慮して音楽をセレクトしなければなりません。
日本では同じ人種が多いのでこの点を理解することは難しいですが、こういったパーティー会場では色んな出身地や国籍の方が集まるのは当たり前の事です。
もちろん、DJのルールに「絶対NG」なんて言うことはありませんが、J-POPをプレイする時は特に注意した方がいいでしょう。
5. BPMは抑えめに、ミックスは丁寧かつ時に大胆に!
例えばハウスやEDMのDJであればBPM120前後からそれ以下のゆるめな楽曲を多めに選んでみると良いでしょう。
それ以外のジャンルでも、普段から自分のプレイしている選曲から比較的BPMを抑えめな曲を中心に、なおかつプレイする際も「+6〜+10」というような速いテンポ設定にならないようにした方が良いでしょう!
また、ラウンジという空間を考えれば、いつもよりミックスを丁寧にやった方が良いのも分かりますよね?
しかし踊っている人がいない状況であれば、ずっと同じテンポを続ける必要がない、とも言えます。
エコーなどのエフェクトを使ってつないで、「この雰囲気ちがったな・・」と直感で感じた時には、BPMや雰囲気を大胆に変えていくのもアリなんです。
そのために、「雰囲気を変えるきっかけになる曲」や「BPM関係なくカットインしやすい曲」を事前に選んでおいて、例えば[MOOD CHANGE]という名前のフォルダにまとめて入れておいても良いですね!
まとめ - これからの社会で増してくる、DJの重要な役割
少し真面目な話になりますが・・コロナウィルスの影響もあり、「ソーシャル」や「人間関係」そのものが見直されている時代に突入しました。
ビジネスでは不要な出張や出勤が見直されて減らされる一方で、しかしリアルな世界での社交場の重要性に気づいた人も多くいると思います。
大切な仲間や初めて出会う人達と過ごす貴重な時間、そこにシーンに合った音楽のセレクトで空間を演出してくれるDJがいたら・・多くの人が喜んでくれることはもちろん、経済的な効果だって計り知れません。
事実、海外では大企業やセレブが主催するパーティーには、著名な(しかも選曲センスの良い)DJたちが高額のギャランティーで招待されることは少なくありません。
日本でも今後、ラウンジパーティーの数や、DJの重要性が増してくると思われます。
そういった場でのDJの自分本位な身勝手な選曲(笑)を減らして、来ている人たちが心地よく楽しい時間を過ごせるための、大切な役割を果たせるようになると良いですね!
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