実際にプロが現場で使っているDJテクニック(=DJスキル)ってなに?
こんにちは!オンラインDJスクールMIXFUN!のDJ KOMORIです。
スクラッチ、ミキシング、エフェクト‥ DJにはさまざまなテクニック(=スキル、技術)がありますが
本当に必要なDJテクニックとは何なのでしょうか?
また、クラブシーンで今、求められているテクニックとは何なのか?
逆に、敬遠されるDJとはどんなDJなのか?
DJはただテクニックがあれば良いわけじゃない!?
今回の記事では「選曲」という最も重要な要素をひとまず脇に置いておいて、DJの「技術」について考えてみましょう!
先に結論から言ってしまうと
「つなぎのテクニックは今でも最重要。しかし、スクラッチは昔ほど大事じゃない」
‥と、自分は思います。
5つのDJのテクニックについて、一つずつ見ていきましょう!
【目次】
具体的なDJのつなぎ方やコツについて知りたい方はこちら↓
「DJのつなぎ方3パターンのコツが分かる!プロのミニDJ講座」
最短でDJを上達する練習法を知りたい人はこちら↓
1. ジャンルに橋を架けるDJテクニック「ミキシング」
「BPM合わせてミックスできればOK」だった時代が終わった
まず、ミキシング。
MIXFUN!のオンライン・レッスンから、ロングミックスのやり方を見てみましょう!
ここで紹介したように、基本的なミックスは練習すれば必ずしも難しくはありません!
(初心者向けオンライン・レッスンの他の動画はこちら)
しかし「なーんだ、DJって簡単にプロになれそうだな!」って思ってる人がいるなら、はい残念。
ロングミックスは初心者が最初に覚えるテクニックです。
ミキシングはただ同じBPMの曲をつなぐだけではなく、時に繊細に、時に大胆に曲を変えてフロアを演出する「DJが使う魔法」です
(ここでいうミキシングはツナギ全般、カットインも含めます)
サプライズを演出したり、一瞬無音の緊張を作ってからそれを解き放ったり‥
「空間を演出する」という意味でもミックス技術の可能性は無限にあります。
クリエイティブな選曲を可能にするのがミックスの技術
僕はDJとして、ミキシングよりさらに「選曲」の方が大切だとも断言できます。
しかし!それと同時に僕がMIXFUN!を通して強く伝えたいのは
「思い通りの選曲を可能にするのもミキシングのスキル次第」ということです。
今の時代は、DJ機材のSYNC機能によりつなぎたい曲のBPMは自動で合うようになっているので、「ただミックスするだけ」は難しくなくなりました。
しかし、「BPMやジャンルのちがう曲に行きたい!けどつなげない‥」という経験はDJなら誰でもあるでしょう。
そんな課題をクリアして、クリエイティブなプレイを可能にするのも、ミキシングのスキルやアイディア次第なんですね!
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EDMブーム→クラブの大衆化で変化した「求められるDJ」の姿
また現在は、2010年代からのEDMブームが落ち着いて、クラブの大型化 & お客さんの大衆化が日本でも進んできました。
一部の4つ打ち系ジャンルを除いては、一人のDJが様々なジャンル・BPMの曲をPLAYすることを要求されるよう、時代は変化しました。
同じbpmの曲を流しているだけでは、お客さんはすぐに飽きてしまうんです。
こちらは自分のDJ MIXをYoutubeにアップした動画です。
この動画のように、色んなジャンルやBPMの曲をミックスするDJプレイが求められるようになっています。
他にもDJテクニックを知りたい人は、MIXFUN!のYoutubeチャンネルをぜひ参考にしてみてください!
2. スクラッチ - 最強にして諸刃の剣のDJテクニック
スクラッチはDJの世界を広げたテクニック
スクラッチはDJスキルの中で一番メジャーであり、DJの世界を広げてきたスキルです。
DJというものを世に広めたのは、スクラッチのパフォーマンスによる功労が大きいと思います。
現在はDMCやRedbullに代表されるようなスクラッチをはじめとするDJスキルを競い合う世界大会がいくつも存在するほど、スクラッチには奥深い魅力があります。
MIXFUN!のオンライン・レッスンから、スクラッチの練習方法を見てみましょう!
ここでスクラッチを簡単に上達するコツを教えましょう・・!
ポイントは2つ
・右手をフェーダーで切る
・左手はリズムをキープする
普通はこれらの技をいっぺんに同時に練習します。
すると、何が出来て何が出来ないのか分からないから上達の速度が遅いんです。
そこでまずは、左手でリズムに合わせてジョグを動かせるようにしましょう。
次に右手の練習。
リズムに合わせてフェーダーで音を切れるように練習します
練習も単調になって飽きてしまわないように、自分の好きなビートで練習したり、スクラッチする音を変えてみると良いでしょう!
ここでもポイントは「楽しみながら続ける」こと、です!
こちらのレッスンのフル動画は、「rekordbox ビギナーコース with DDJ-400」のレッスン後半で登場します。
上記のようなレッスン動画が18項目 70分以上、無料で体験できるレッスンがあるのでぜひ試してみて下さい!
スクラッチが求められるのはDJ大会がメイン。シーン全体の1%くらい!?
DJのスクラッチで盛り上がるシーンを見たことがある人も多いと思いますが
それらの多くはDMCやRedbullなどの「DJテクニックを競う大会」であり、「スクラッチを楽しみに来ている人がほとんど」の会場で行われています。
世界中のクラブシーンの中で、その様なスクラッチメインの大会やイベントは残念ながら1%もないでしょう。
特にHipHop以外の現場ではウケが良くなく、有名もしくはスキルの高いDJでなければスクラッチはNGと言うケースもあります‥
アナログ生まれのスクラッチはデジタルと相性が悪い!?
またアナログレコードで開発されたスクラッチも、現在はデジタル音源 & 機材でDJする場がほとんどであり、扱う音源もギリギリまで音圧をマスタリングで上げている曲ばかり。
そのせいで、クラブでスクラッチ音が耳に痛い音として聴こえることが非常に増えました(この点を気にするDJが少なすぎる‥)。
水がいっぱいのグラスにさらに注ぐと溢れてしまいますよね。音量も同じです。
スクラッチは上手い下手を聴き分けるのが難しい
またスクラッチは一定のスキルレベルを超えてくると、その上手い下手を聴き分けるのが非常に難しくなります。
例えば世界一スキルの高いピアニストのパフォーマンスを、普通の人が聴き分けるのは難しいですよね。
ピアノのような身近な楽器でもそうなのですから、DJのスクラッチとなるとなおさらです。
スクラッチというスキルは、時にはパフォーマンスとしてもの凄い効果を発揮するけど、
同時に「特に気をつけて扱うべきスキル」だということをぜひ覚えておいてください。
3. エフェクト - デジタル化で注目度の高まるDJテクニック
DJ機材の進歩と共にエフェクトも注目される
エフェクト、これはDJ機材のデジタル化の流れとともに、近年では重要度の上がっているスキルと言えます。
エフェクトを組み合わせれば、以前は考えられなかった効果を発揮することもあります。
またスクラッチと違い、流している曲の原音をエフェクトで加工するので、不協和音にならず気持ちいい音を出しやすいと言えると思います。
エフェクトは飽くまで「スパイス」
DJ機材もこれからますます発展すると思われるので、さらに新しいスキルが生まれることでしょう!
しかしスクラッチ同様、これらは「味付け」であり、食材を活かす「スパイス」であることは知っておくべきでしょう。
きちんと出来上がりのイメージがあって上手に調理するのはいいけど、高級な肉や新鮮な魚にまちがったスパイスを振るのは避けたいですね。
またスクラッチと同様、音量のグラスを溢れさせないことも大切です。
4. トーン・プレイ - 今話題のDJスキル!
DJ中に曲を「演奏」する!インパクト大なテクニック
曲の中の一つのフレーズを使い、KEY SHIFT機能やKEYBOARD機能を使って音階を変えてパッドで別の曲のメロディーを演奏する、というパフォーマンスです。
redbull 3 Stylesでのパフォーマンスが火付け役となり、それに対応するDJ機材も増えてきたためにここ数年でメジャーになってきましたね!
予想外に曲が変わるインパクトがあり、またスクラッチやエフェクトなどよりもパフォーマンスとして大衆に分かりやすいため、最近のトレンドとなりつつあるDJテクニックです!
トーンプレイはDJ中にアドリブではできない!?
‥しかし、このトーン・プレイにもいくつか注意点があります。
まずトーンプレイは、あらかじめ「Aの音でBの曲のメロディーをトーンプレイしてからBの曲に行く」と決めて練習しなければなりません。 KEYやコードの原理を考えると、シンセを弾くようにどの曲でもトーンプレイができるという訳ではないからです。
そのため、仕込みにも時間がかかり、メロディーを正しく覚える必要があるのでバリエーションを増やすのも簡単ではありません。
スクラッチやエフェクトのように、その場の思いつきでやることができないのです。
パフォーマンスを競う大会向きのDJテクニックで、クラブ向きではない!?
これは、その場の展開を見て選曲するクラブDJにとっては高いハードルとなりますね。
キーボードをアドリブで弾くレベルの技術があれば別ですが‥。
あと個人的にはパッドを人差し指で演奏する姿が子供のピアノ演奏のようで、あまりカッコ良くはないかな〜と。笑
そういう意味では、トーンプレイはパフォーマンスとしてはインパクト抜群だけど、この中で最も汎用性の低い(応用しにくい)スキルとも言えるのではないでしょうか?
サッカーで例えればオーバーヘッドキックのようなスキルなので、時間をかけて練習をしても使うシチュエーションが少ないイメージです。笑
5. DJも「オンラインスクール」で独学する時代へ
DJを始めたからには、「上達したい!」「クラブやフェスでDJプレイしたい!」という思いを持つ人がほとんどだと思います。
しかしスポーツやピアノ、ギター等の楽器とはちがって、DJは練習方法が確立されていません。
そのため、DJの基礎を知らないまま自己流で練習している人がほとんどです。
DJを上達しようと思うと、以前はDJスクールに実際に通うのが一般的でした。
しかし・・入会金を含めると10万円〜20万円のレッスン料がほとんど。
また、講師となるDJも副業でDJをやっている様な方が多いといいます。
この日本初の本格オンラインDJスクール 「MIXFUN!」では、動画を中心に初心者でもDJを学べるプログラムを開発しました。
また、講師を務めるのは23年間プロのDJ / プロデューサーとして活動するDJ KOMORIです。
自宅でプロから学べるDJのコンテンツが用意されているのでぜひ無料体験してみてくださいね!
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6. TRIMとEQ - 地味だけど超重要なDJスキル!
音が鳴っている間は必ず必要とされるテクニック
音量やEQを調整するスキル、これは単純ながらどのシーンでも必ず必要とされるスキルです。
例え幼稚園児の前でDJするとしても、音の大小は誰でも聴き分けられるからです。
微妙なEQ調整を軽く考えるDJもいますが、スクラッチやエフェクトの操作はたった数秒でも、EQは曲が鳴っている間ずっとサウンドに影響します。
また音質の良いBIGクラブになるほど、EQ調整の質がお客さんの反応に影響します。
音が大きければ微妙なタッチがフロアのコントロールにも影響してくるからで、僕も大型フェスやageHaのアリーナのような広いフロアでPLAYするときほど、EQ(特に高低音)に気を使います。
味付けのバランスが上手いDJ = 良いDJ
DJセットをコース料理のように考えた時に、前後で味付けのバランスを変えてそれぞれの食材を際立たせることもできます。
例えば前の曲の音量や高音を控えめにして、次の曲で全開にしてドカン!と聴かせるというのもスキルの一つ。
こういったシンプルだけど効果的なスキルを使いこなせるDJが思いの外少ないのも事実です。
個人的には、この「シンプルな味付けのバランスが上手いDJ = DJが上手い」と判断することが多いです。
ミキシングが最も重要と言いましたが、それに近いくらい重要な基礎スキルだと思います!
まとめ - 今求められるDJスキルとは?
ということでDJのスキルについて考えてみました!
まとめとしては‥
◯一人のDJに対して様々なジャンルを求められる今の時代、ミキシングの重要度は上がっている
◯デジタル音源 & 機材の普及が広まった今、全体的にスクラッチの重要度は少しずつ下がり、エフェクトの重要度は上がっている
◯トーン・プレイはオーバーヘッドキック
と言った感じでしょうか。
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必要なスキルはあなたが目指すDJスタイルによって変わる!
しかし重要なことは、必要となるDJスキルは個々のDJスタイルによって変わるということ。
例えば大会で勝つことを目標とするDJにとっては「スクラッチやトーン・プレイが最重要スキルだ!」となるでしょう。
しかしそのスキルが「必要ない場面がある」と理解することも、同じくらい大切です。
今は時代の変化と同様に音楽のトレンドの変化も速く、またリスナーが聴く音楽の幅も広がっているのが現代の流れです。
そう考えると、「シチュエーションに合わせる」ということがDJスキルの重要な土台にもなります。
もちろん練習も大切だけど、時代に合わせて音楽の良さを伝えるというDJの本質を忘れないでください^ ^