現代のDJが音楽制作に挑戦するべき3つの理由

こんにちは!オンラインDJスクールMIXFUN!のDJ KOMORIです。
今日はDJと音楽制作 / プロデュースワークの関係についてお話したいと思います。

以前は「DJ=曲をつないでPLAYする」ことが一般的なDJのイメージでした。
しかし現代は、世界的に「DJ=プロデューサー / トラックメイカー」となっていることはみなさん気づいていることでしょう。

これを読んでいる多くの方は既にDJとして活動している、もしくはDJに興味のある方だと思います。
「作曲 / 音楽制作にチャレンジしたいけど、ハードルが高くて手が出ない・・」
そういう方がとても多いことを知っているので、僕はこの記事を書いています。

では、なぜ現代のDJは音楽を作らなくてはならないのでしょうか?
その質問に答える前に、こう質問をしたいです。
「あなたが憧れるDJの中で、音楽を作っていないDJがいますか?」
そう、かなり以前から世界のスタンダードはDJ=プロデューサー / トラックメイカーであり、音楽制作ができない時点で活躍できる範囲はかなり狭くなってしまうのです。

このページではなぜそうなったのか、その理由を考えて行きたいと思います!

目次

理由1. DJが昔より「簡単」になっているから
理由2. 作曲が昔より「簡単」になっているから
理由3. DJはDJプレイだけでは差別化ができない

さて、1つずつ見ていきましょう!

理由1. テクノロジーのおかげでDJが昔より「簡単」になっているから

昔のDJ(〜90年代後半)はアナログレコードでPLAYしていたので、DJのミックスのテクニック自体が今の数倍は難易度が高かったです。
しかし今は、あらゆるDJ機材にSYNCモードなどが搭載されていて自動的にテンポを合わせてくれます。

DJが曲を探すのも、CUEポイントも、LOOPも、エフェクトも、すべてデジタル操作で簡単にできるようになったのです。
(信じられないかもしれませんが、僕たちはこれらを全てアナログでやってました・・笑)

そのため特別なDJスキルや長い練習時間が無くても、DJとしてブースに立てるようになりました。
これはもちろん多くの人がDJできるという点ではメリットもあるのですが、経験やテクニックを売りにしているDJたちにとってはデメリットであると言えるでしょう。

また音源に関しても同様のことが言えます。
以前は自分でお金を出してレコードやCDを買わないと、新しい曲をプレイすることが出来ませんでした。 自分は多い時でアナログレコードを1万枚ほど所有していたので、単純計算で1枚千円として1000万円ほどの予算ですね・・笑
今はDJ向けの音源を扱うデータプールやストリーミングを利用したDJもあるので、かなり予算的にもハードルが大きく下がったと言えるでしょう。

理由2. デジタル化で作曲が昔より「簡単」になっているから

これもDJと同じことなのですが、デジタル化の恩恵を受けて作曲もどんどん簡単になっています。

昔はそもそも多重録音(複数のトラックを重ねて一つの音声として録音する)こと自体が難しくて、特殊な機材が必要でした。
HipHopプロデューサーが使っていた初期のサンプラーが、全メモリー合わせて数秒間(!)しか録音できなかったのは有名な話です。

またシンセサイザーやMIDIキーボードなどの価格も高く、15年前であれば作曲をはじめるには予算として20〜30万円は必要でした。

しかし現代は、ノートPCやスマホ、タブレットのどれかあれば、プロ仕様に近いクオリティーの音楽を作ることができます。
DAWソフトの価格も下がってきており、作ろうと思えば無料のソフトやアプリのみでトラック制作することも可能です。

もちろんプロ仕様の機材を揃えれえばその予算は天井知らずです。
海外の超有名DJが所有するスタジオは数千万円〜億単位の予算がかかっているでしょう。

しかし、時代の流れとともにDJと同じ様に音楽制作もハードルが下がったのは事実です。
このため多くの人が音楽制作に取り組むようになり、トラックメイクで結果を出してからDJデビューをする
もしくはDJデビューの以前から音楽制作を始めている、というケースがかなり増えました。

DJプレイと作曲では表現の自由度が全くちがう

また、ここで一つお伝えしたいのが「表現の自由度と可能性」という点です。
DJは基本的に「誰かのつくった曲をプレイする」という立場です。
エフェクトなどの機能は増えましたが、それは飽くまで「他人の曲に手を加える」という作業です。
またDJのハイレベルなテクニックに関して言えば、DJ同士にしか分からないという問題もあります。

それに比べて、自分だけの音楽をゼロから作るというプロセスは、可能性がとても広いことは分かってもらえると思います。
歌手や俳優、画家やカメラマンのように創造性が必要とされるアートな活動そのものなんですよね。
つまり、DJテクニックを磨くよりも素晴らしい楽曲を作れれば、より多くの人を惹きつけることが出来るんです。

理由3. DJはDJプレイだけでは差別化ができない

DJの音源は簡単に手に入るし、他のDJのプレイリストもすぐに分かる、ミックスも自動でできるー
これら2つの理由から、現代の音楽シーンではDJはDJだけでは差別化できなくなっているのです。
となれば、自ら音楽を作るクリエイターになるしか道は無いと自分は思います。(芸能人やインフルエンサーの様なDJになりたいのであれば話は別ですが・・)

DJがプロデューサーになることを求められている背景には、単なる技術的な進歩を超えた文化的な変化を示しています。
音楽の消費方法が変わり、ライブパフォーマンスが重視されるようになった現在、DJはただの音楽再生者から、音楽の創造者へとその役割を拡大しています。
この変化は、音楽産業だけでなく、ファンの期待にも影響を及ぼしており、DJに求められるセンスやスキルセットも変化しているのです。
厳しい言い方ですが、ただ他人の音楽をかけているだけでは説得力も求心力もなくなってしまったのです。

リスナーやファンの目線になってもそうですよね。あなたが好きになったDJ、SkrillexやZeddの様な現代の人気DJか、HouseやTechnoのシーンで活躍するDJか、もしくはDJ PremiereやKenny DopeのようなOld Schoolのレジェンドか・・いずれにしても、それは彼らが作った音楽に魅力を感じているから、ですよね。

DJにはDJらしい音楽制作のスタイルやプロセスがあるので、このMIXFUN!でも今後紹介してみなさんと一緒にステップアップして行きたいと思っています!

まとめ

そう、全てはIT技術やデジタル化、SNSなどに関係しているんですね。時代の変化に適応していくことはとても大切です。
ただしそれは、「SNS上でさえ見栄えがよければいい」という訳ではないんです。

中には勘違いしている人も多いのでぜひ知っておいて欲しいのですが、海外のシーンではDJ自身の音楽性や人間性があった上でのSNS発信やビジュアルでの差別化があるのです。
彼ら自身の音楽性や人間的なキャラクターを受けて、ブランディングが作られているのです。
彼らは多くの時間を音楽制作のために自宅やスタジオでPCと向かい合い、時には移動の飛行機の中やステイ先のホテルで楽曲を完成させるケースも珍しくありません。
決して、セレブの様なインスタグラムの写真が先で、ブランディングだけが目的でその後に後付で流行りに乗った音楽を作っているわけではないんですね。

MIXFUN!では今後もDJに向けた音楽制作のコンテンツを紹介していくので、一緒にDJライフを楽しんで行きましょう!!!

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