DJにはどんなスキルが必要? いま求められるテクニックとは!?

今の時代にクラブやフェスの現場で求められるDJスキルってどういうテクニック?

スクラッチ、ミキシング、エフェクト‥ DJにはさまざまなスキル(=テクニック、技術)がありますが

そもそもなぜDJにはスキルが必要なのでしょうか?

また、変化の早い時代の中でいま必要とされているスキルとは何なのか?

今回の記事では「選曲」という最も重要な要素をひとまず脇に置いておいて、DJの「スキル」について考えてみましょう!

スクラッチやエフェクトもスキルであり、繊細なミキシングもスキルです。
もっと言えば、TRIMで音量を調整するだけでも立派なDJスキルの一つなんです。

先に結論から言うと「ミキシングとエフェクトの重要度は上がり、スクラッチの重要度は少しずつ下がっている」と、自分は思います。
ざっくり分けた5つのDJのスキルについて、一つずつ見ていきましょう。

1. ジャンルに橋を架ける「ミキシング」

まず、ミキシング。
最初にミキシングの重要度は上がっていると言いましたが
「いやいや、DJ機材はSync機能が付いたり便利になってるし、EDMとかつなぐの簡単だしミックスって大事じゃなくない!?」って思ってる人がいるなら、残念。
それは数年前のお話です。

ミキシングは異なる曲同士を違和感なくキレイに、時に音楽をよりドラマチックに聴かせるのためのスキルです。(ここでいうミキシングはツナギ全般、カットインも含めます)
サプライズを演出したり、一瞬無音の緊張を作ってからそれを解き放ったり、「自分の意図するように音楽を聴かせる」という意味でもミックス技術の可能性は無限にあります。

また、ミキシングよりさらに「選曲」の方が大切だとも断言できますが、 それと同時に僕がMIXFUN!を通して強く伝えたいのは 「思い通りの選曲を可能にするのもミキシングのスキル次第」ということです。
今の時代のDJソフトや機材は、SYNC機能によりつなぎたい曲のBPMは自動で合うようになっているので曲を「ただミックス」することは難しくなくなりました。
しかし、「BPMやジャンルのちがう曲に行きたい!けどつなげない‥」という経験はDJなら誰でもあるでしょう。
そんな課題をクリアして他のDJが思いつかないようなミキシングを可能にするのも、ミキシングのスキルやアイディア次第なんですね。

また現在は、クラブの大型化 & お客さんの大衆化が進むに連れて、一部の4つ打ち系ジャンルを除いては一人のDJが様々なジャンル・BPMの曲をPLAYすることを要求されるよう時代は変化しました。
そうです、時代の変化とともに新しいスキルを要求されるのもDJの宿命なんです。
今の時代のミックスが上手いDJは、ジャンルやBPMの違いを感じさせません。

ジャンルを隔てる川に橋を架けてくれるのも、自分のDJミックスのスキル次第なんですね。

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2. 最強にして諸刃の剣「スクラッチ」

スクラッチはDJスキルの中で一番メジャーであり、DJの世界を広げてきたスキルです。
DJというものを世に広めたのは、スクラッチのパフォーマンスによる功労が大きいと思います。
僕自身も27年ほど前に「Juice」というHipHop映画のスクラッチシーンに衝撃を受けて、DJにのめり込みました。(いま観ると手と音の動きは合ってないんだけどね)

現在はDMCやRedbullに代表されるようなスクラッチをはじめとするDJスキルを競い合う世界大会がいくつも存在するほど、スクラッチには奥深い魅力があります。

こういった大会で勝つには、スクラッチのスキルが必須と言っても良いでしょう。
‥と同時に、スクラッチは扱いが難しいDJスキルとも言えます。

この動画のようにスクラッチで盛り上がるシーンも多く見かけますが、それらの多くはDMCやRedbullなどの「大会」であり、「スクラッチを楽しみに来ている人がほとんど」の会場で行われています。
クラブシーンの中でその様なスクラッチメインの大会やイベントは残念ながら1%もないでしょう。
特にHipHop以外の現場ではウケが良くなく、有名もしくはスキルの高いDJでなければスクラッチはNGと言うケースも少なくありません‥

またアナログレコードで開発されたスクラッチも、現在はデジタル音源 & 機材でDJする場がほとんどであり、扱う音源もギリギリまで音圧をマスタリングで上げている曲ばかり。
そのせいでクラブでのスクラッチ音が耳に痛い音として聴こえることが非常に増えました(この点を気にするDJが少なすぎる‥)。
水がいっぱいのグラスにさらに注ぐと溢れてしまいますよね。音量も同じです。
またスクラッチは一定のスキルレベルを超えてくると、その上手い下手を聴き分けるのが非常に難しくなります。
世界一スキルの高いピアニストのパフォーマンスを、普通の人が長時間聴き続けることは辛いと思います。

スクラッチというスキルは、時にはパフォーマンスとしてもの凄い効果を発揮するけど、
同時に「特に気をつけて扱うべきスキル」だということをぜひ覚えておいてください。

さもないと、「おれはこんなに練習してスクラッチが上手くなったのに!なんでDJとして評価されないんだ!?」という落とし穴にハマってしまうことでしょう。

3. デジタル化で注目度の高まる「エフェクト」

エフェクト、これはDJ機材のデジタル化の流れとともに、近年では重要度の上がっているスキルと言えます。
エフェクトを組み合わせれば、以前は考えられなかった効果を発揮することもあります。
またスクラッチと違い、流している曲の原音をエフェクトで加工するので、不協和音にならず気持ちいい音を出しやすいと言えると思います。

しかも最近はトラックメイキングとクラブDJを兼任するDJが増えたため、エフェクトに関する知識が全体的に高まりました。
DJ機材もこれからますます発展すると思われるので、さらに新しいスキルが生まれることでしょう!

しかしスクラッチ同様、これらは「味付け」であり、食材を活かす「スパイス」であることは知っておくべきでしょう。
きちんと出来上がりのイメージがあって上手に調理するのはいいけど、高級な肉や新鮮な魚にまちがったスパイスを振るのは避けたいですね。
またスクラッチと同様、音量のグラスを溢れさせないことも大切です。

4. 最近のトレンド!「トーン・プレイ」

曲の中の一つのフレーズを使い、KEY SHIFT機能を使って音階を変えてパッドで別の曲のメロディーを演奏する、というパフォーマンスです。
redbull 3 Stylesでのパフォーマンスが火付け役となり、それに対応するDJ機材も増えてきたためにここ数年でメジャーになってきましたね!

予想外に曲が変わるインパクトがあり、またスクラッチやエフェクトなどよりもパフォーマンスとして大衆に分かりやすいため、最近のトレンドとなりつつあるDJテクニックです!

しかし、このトーン・プレイにもいくつか注意点があります。
まずトーンプレイは、あらかじめ「Aの音でBの曲のメロディーをトーンプレイしてからBの曲に行く」と決めて練習しなければなりません。 KEYやコードの原理を考えると、シンセを弾くようにどの曲でもトーンプレイができるという訳ではないからです。

そのため、仕込みにも時間がかかり、メロディーを正しく覚える必要があるのでバリエーションを増やすのも簡単ではありません。
スクラッチやエフェクトのように、その場の思いつきでやることができないのです。
これは、その場の展開を見て選曲するクラブDJにとっては高いハードルとなりますね。キーボードをアドリブで弾くレベルの技術があれば別ですが‥。 (あと個人的にはパッドを人差し指で演奏する姿が子供のピアノ演奏のようで、あまりカッコ良くはないかな〜と。笑)

そういう意味では、トーンプレイはパフォーマンスとしてはインパクト抜群だけど、この中で最も汎用性の低い(応用しにくい)スキルとも言えるのではないでしょうか?
サッカーで例えればオーバーヘッドキックのようなスキルなので、練習をしても使うシチュエーションが少ないイメージかな。笑

5. 誰でもちがいが分かる「TRIMとEQ」

音量やEQを調整するスキル、これは単純ながらどのシーンでも必ず必要とされるスキルです。
例え幼稚園児の前でDJするとしても、音の大小を彼らは聴き分けられるからです。
微妙なEQ調整を軽く考えるDJもいますが、スクラッチやエフェクトの操作はたった数秒でも、EQは曲が鳴っている間ずっとサウンドに影響します。

また音質の良いBIGクラブになるほど、EQ調整の質がお客さんの反応に影響します。音が大きければ微妙なタッチがフロアのコントロールにも影響してくるからで、僕もageHaのアリーナのような広いフロアでPLAYするときほどEQ(特に高低音)に気を使います。

DJセットをコース料理のように考えた時に、前後で味付けのバランスを変えてそれぞれの食材を際立たせることもできます。
例えば前の曲の音量や高音を控えめにして、次の曲で全開にしてドカン!と聴かせるというのもスキルの一つですが、こういったシンプルだけど効果的なスキルを使いこなせるDJが思いの外少ないのも事実です。

個人的には、この「シンプルな味付けのバランスが上手いDJ = DJが上手い」と判断することが多いです。なぜなら、音楽の特徴や場の雰囲気を分かって味付けしているからです(逆にほぼTRIMやEQを触らないようなDJは、あまり上手くない可能性がけっこうあります。笑)

ミキシングが最も重要と言いましたが、それに近いくらい重要な基礎スキルです。

まとめ

ということでDJのスキルについて考えてみました!
まとめとしては‥

◯一人のDJに対して様々なジャンルを求められる今の時代、ミキシングの重要度は上がっている
◯デジタル音源 & 機材の普及が広まった今、全体的にスクラッチの重要度は少しずつ下がり、エフェクトの重要度は上がっている
◯トーン・プレイはオーバーヘッドキック

と言った感じでしょうか。

もちろん個々のDJスタイルによって重要度は変わります。
例えば大会で勝つことを目標とするDJにとっては「スクラッチやトーン・プレイが最重要スキルだ!」となるでしょう。
しかしそのスキルが「必要ない場面がある」と理解することも、同じくらい大切です。
個々のDJスキルの本質を見抜いて、それを客観的に捉える能力も必要であり、 シーンによってはテクニックを「使わないこと」を選ぶ判断力、それこそも含めて重要なテクニックなんですね。

今は時代の変化と同様に音楽のトレンドの変化も速く、またリスナーが聴く音楽の幅も広がっているのが現代の流れです。

そう考えると、「シチュエーションに合わせる」ということがDJスキルの一つ重要なポイントにもなります。
時代によって求められるスキルも変わる、というのも重要なポイントですね!
もちろん練習も大切だけど、時代に合わせて音楽の良さを伝えるというDJの本質を忘れないでください^ ^

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